正しく使い分ける!グラフの種類と圧倒的に伝わるグラフ11の改善点

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グラフの選び方

資料を作成する際、グラフを活用することで表現力が増しますので、ぜひとも活用したいですよね。

しかし、「そもそもグラフにはどんな種類があるのか。」「それぞれをどう活用すべきなのか。」を悩まれている方も多いと思います。

実際、仮に間違ったグラフの使い方をしてしまうと、せっかく伝えたい内容がいくら素晴らしくても、受け手にその内容が正しく伝わらず、その効果は半減してしまいます。

ここでは、グラフとしてよく利用される、

・棒グラフ
・折れ線グラフ
・積み上げ棒グラフ
・円グラフ
・帯グラフ
・散布図

の6つのグラフを取り上げ、どう使い分けるべきかについて解説していきます。

また、グラフを活用する上で、より見やすく、より伝わりやすいものにしていただけるよう、「見やすいグラフを作るための7つのテクニック」「グラフ作成時にやってはいけない4つのこと」について具体的な事例を用いて解説していきます。

実践いただければすぐにその効果を実感いただけます。ぜひ、わかりやすいグラフを作るために活用してください。

1. グラフの種類と目的別の選び方

まずは、グラフの種類と目的別の選び方について説明していきます。使用頻度が多いものから順に説明していきますので、しっかりと押さえておきましょう。

1-1. 量の大小を表現するときは棒グラフ

グラフの王様は「棒グラフ」です。とにもかくにもまずは棒グラフで表現することを基本としましょう。

棒グラフ

棒フラグは量の大小をシンプルに表現できるグラフです。

例えば、「各支店ごとの売り上げを比較したい」といった数値の比較を行う場合での利用に適しています。また、月別の売り上げを比較する際に棒グラフで表現することも可能です。

1-2. 推移を強調するなら折れ線グラフ

棒グラフと折れ線グラフの使い分けとして、「横軸が時間軸(年や月等)の場合は折れ線グラフ、そうでないときは棒グラフ」と使い分けている方もいますが、この使い分け基準は正しくありません。

目的によって横軸に時間軸(年や月等)を置いて、棒グラフを使うこともあります。

判断の基準は「比較をするなら棒グラフ。変化を見るなら折れ線グラフ。」です。

折れ線グラフ

上の折れ線グラフを見てわかることは、7月に一度数字が減少するが、その後また上昇しているということです。月ごとにどう数字が変化しているかの流れは見やすいと思います。

しかし、5月と7月の数字のどちらが大きいか比較しようと思うといかがでしょうか?

少し比較しずらいことが実感いただけると思います。各月の数字をしっかり比較して見せたい場合、折れ線グラフは不適切なのです。

繰り返しになりますが、棒グラフと折れ線グラフの使い分け基準は「比較をするなら棒グラフ。変化を見るなら折れ線グラフ。」です。

1-3. 推移の要因を示すなら積み上げ棒グラフ

順調に数字が上昇しているという事実(変化)をグラフにしようと思うと、変化を示すグラフですので、まずは折れ線グラフを第一候補にすることになります。

しかし、もし順調に数字が上昇しているという事実の要因(内訳)を示したいと思っても折れ線グラフでは表現できません。 このような場合は、積み上げ棒グラフを利用しましょう。

積み上げ棒グラフ

1-4. 割合を表現するなら円グラフ

構成比を表現する場合は円グラフを利用するのが適切です。

例えば、自社商品の購入者層の年代別の構成比を見たい場合等、割合を示す場合に利用します。

円グラフ

1-5. 割合の変化を表現するなら帯グラフ

構成比の表現であっても、構成比がどう変化したかを比較したい場合、円グラフ一つでは表現できず、以下のように円グラフを並べて比較するしかありません。

 

帯グラフ

円グラフを並べていると、10代の割合の変化は瞬時に理解できると思いますが、20代はいかがでしょうか?比較しづらいと思います。

構成比の違いや変化を比較する場合は、帯グラフを使いましょう。帯グラフを使うことで、それぞれの割合がどう変化しているかが見やすくなります。

1-6. 2種類のデータの関係を示すなら散布図

あまり使う機会は多くないかもしれませんが、データが2つあり、その2つのデータの関係を示すなら散布図を使います。

散布図

点が直線上に並ぶと2つのデータに関係性があると言えます。

相関があるという表現を使います。 点がバラバラになると相関がない、つまり2つのデータには関係性がないと言うことです。

目的別最適グラフの整理

ご説明してきたグラフ利用の考え方を整理すると以下のようになります。

最適グラフ一覧

2. 見やすい!押さえておくべき6つのこと

グラフの正しい使い分け方法について理解いただけたと思います。ここからは、作るグラフをより伝わりやすいもののするためのステップです。

せっかく作るのだから、意図通りのグラフを作れるよう必ず押さえておきましょう。

2-1. 何を伝えたいのかを明確にする

見やすい資料を作るために最も大切なことは、この資料で何を伝えたいのか、何を表現したいのかを明確にすることです。

なんとなく作ったグラフでも参考になるものもありますが、意図のないグラフでは、グラフを見る側がグラフの内容を読み取らなければならなくなり、受け手の労力が増えてしまいます。

・このグラフで直近の売り上げが上昇していることを伝えたい
・他社と比較し、シェアが上がっていることを表現したい
・成長要因となっている商品を示したい

等、グラフを使って相手に何を伝えたいのかを明確にしましょう。

目的を明確にすることは、グラフ作成においてのスタート地点であり、最も重要なことです。

目的がない状態でいきなりグラフを作り始めてしまうと、作りながら迷ってしまい、時間がかかってしまうばかりです。

グラフを作る前は、まずなによりも「このグラフで何を伝えるのか」を明確にするようにしましょう。

2-2. 必要性の低い数字は消してしまう

伝わるグラフであるためには、グラフはシンプルであればあるほど良いです。余計な情報が頭に入らず、瞬時にグラフが意味することを理解できるためです。

シンプルで余計なもののないグラフにするために、まずは必要性の低い数字を消してしまうことからはじめましょう。

例えば、グラフを作る目的が「今月、今期最高売り上げを達成したことを強調したい」という目的の場合、これまでの数字を細かく示す必要性はまったくありません。

以下のように、今月の売り上げのみを示すだけで十分です。とにかく、目的に対して必要のないものは削るだけ削る意識を持って作りましょう。

棒グラフの数字を抜いた例

2-3. グラフの目盛り数は少なくする

シンプルさを追求するために、グラフの目盛り数を削ってしまうこともオススメです。

例えば、「自社の売り上げが他社と比較して大きく伸びていることを伝えたい」ということを目的にした場合、過去の地点でどの程度売り上げがあったかを伝える必要はありません。

目盛り数が多いことは、少ない場合と比較すると各地点ごとの売上を見やすいという利点があります。しかし、多くの場合グラフで細かな売上を示す必要はないでしょう。

必要のない目盛り数は可能な限り少なくしてしまいましょう。

目盛りを削ったグラフの例

2-4. 棒グラフで項目が多い場合は横棒グラフを使う

棒グラフを作る際、項目が多いと横に長いグラフになってしまいます。

横に長いグラフは、グラフ位置と数字が遠くなってしまうため、見づらいグラフになってしまいます。また、横に長いグラフの場合、項目名がつまってしまい、項目名を斜めにしたり、縦にしたりする必要性が出てきます。

縦棒グラフであれば、項目名がきれいに並べることができます。以下の例を見ていただくと、見やすさが増していることを実感いただけると思います。棒グラフで項目が多い場合は、縦棒グラフを使うようにしましょう。

縦棒グラフ

2-5. 並び替えて順番を整える

比較を目的としたグラフを作る場合、並びがバラバラのグラフは見にくいです。時系列のグラフの場合等、順番を変えられない事情がある場合以外は、多い順に並べ替えてしまいましょう。

棒グラフ並び替えた例

2-6. 会社を比較するときはイメージカラーを使う

会社を比較する際、その会社のイメージカラーがある場合はグラフの色もイメージカラーを使うようにしましょう。

伝わりやすいグラフというのは、そのグラフの意味することを受け手が可能な限り短い時間で理解できるグラフです。会社とイメージカラー以外でも、受け手にとって、項目と色がリンクしやすい場合は、項目を表現する色を使うようにしましょう。

グラフにイメージカラーを使った例

2-7. 円グラフはグラフ内にパーセンテージを記載する

円グラフを使う場合、そこで表現したいものは項目ごとの割合です。パーセンテージの記載がなければ、微妙な差の理解ができません。

「円グラフを作る場合は、グラフ内にパーセンテージを記載する」このことも一つのルールとして徹底するようにしましょう。

円グラフに割合を記載した例

3. 伝わらない!グラフ作成やってはいけない4つのこと

グラフの選び方と見やすいグラフを作るためのテクニックをお伝えしました。最後にやってはいけない禁止事項をご説明します。ちょっとしたことで、グラフの見やすさは激変します。ご自身のグラフで同じミスをしていないか、ぜひチェックしてください。

3-1. 単位を示さない

簡単なことですが、意外と多いのが単位が示されていないことです。単位は桁数も含めしっかり記載しましょう。桁数はグラフ数字の上部に置いておくとわかりやすいです。

グラフに単位を示す例

3-2. 2軸グラフで対応を示さない

2軸グラフは、縦軸の数字が右左両方に表示されるため、どちらのデータがどちらに連動するのかがわかりにくいです。そのため、2軸グラフ自体あまりおすすめしません。

もし、利用する場合は、グラフの凡例をしっかり示すこと、単位をしっかり示すことが重要です。

2軸グラフ

3-3. 桁数が大きすぎる

桁数が大きすぎると、無駄にスペースを取りますし、そもそも桁数を数えるのが大変です。

桁数が大きすぎる場合は、千円単位や百万円単位とし、表示する桁数を小さくしてしまいましょう。

グラフで桁数を小さくした例

3-4. 意味なく3Dを使う

なんとなくかっこいいから、という理由で3Dグラフを使う方がいますが、読み手の視点で良いことは一つもありません。

以下の3Dを使った事例は、20代と40代は同じ18%ですが、同じ大きさに見えません。20代の方が多く見えてしまいます。 特に意図がない場合は、通常の2Dグラフを使いましょう。

3次元グラフ

さいごに

見やすい資料を作るために最も大切なことは、この資料で何を伝えたいのか、何を表現したいのかを明確にすることです。

しっかりと目的を持った上で、まずはどのグラフを使うべきか検討しましょう。

そして、受け手の労力を増やさない工夫として、ご紹介した「見やすいグラフを作るための7つのテクニック」「グラフ作成時にやってはいけない4つのこと」をしっかり抑えてグラフを作っていきましょう。

資料にグラフを入れる際は、ぜひ実践してみてください。

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